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日本では医師と歯科医師だけに許された「死亡確認」その詳しい手順と気をつけるべきポイントについてまとめました。
死の3徴(対光反射の消失・呼吸の停止・心停止)
ペンライトによる対光反射の消失、胸部聴診で呼吸音と心音の停止、モニターでの心拍停止をもって死亡を確認します。
医学生によるOSCE対策の一貫です参考程度にしてください
目次
死亡確認の詳しい手順
患者の死亡を確認するときの手順を詳しくみていきます。ここに示すものは一例ですので状況に応じて対応してください。
身だしなみと持ち物を整え、患者の情報を確認する
病室または自宅に入るまえに、最低限の身なりを整えます。患者の家族に失礼のないような格好や髪型、PHSや携帯電話の呼び出し音にも注意が必要です。
死亡確認に必要な聴診器、ペンライト、腕時計の3つを持っていきます。持ってない場合は周囲から借りましょう。
主治医でなくても患者の情報を把握しておくべきです。カルテを読んだり看護師さんやスタッフさんに聞いたりしましょう。フルネームと病歴は必須です。
自己紹介をする
家族に会ったら自分の所属と名前を名乗ります。
例「〇〇さんのご家族の方でしょうか?私□□病院の△△と申します。(主治医の××が不在のため)本日担当させていただきます」
必要なら蘇生処置をおこなう
自宅での看取りで家族が蘇生を希望されない場合や、すでに死亡していて家族の前で確認する場合ここは飛ばします。
どこまで蘇生を行うかは場合によりますが、家族心理的にもできる限り蘇生処置をおこなうのがいいとされます。
OSCEレベルなら胸骨圧迫と人工呼吸などでしょうか。
積極的な蘇生処置を望まれない場合は、家族の看取りを邪魔しないように医療者は少し離れて患者の観察をします。
一般的に呼吸が止まって数分してから心臓がとまることが多いです。呼吸と心臓が停止してもしばらくは対光反射やモニター上での心拍が残っている場合もあります。
蘇生処置をやめるかを家族に確認するとき
例「これ以上続けても意識が戻る可能性は低いと思われます。処置を続けることを望まれますか?」
死亡確認をおこなう
患者の死が観察でき、家族の準備が整ったら死亡確認をします。
死の3徴(対光反射の消失・呼吸の停止・心停止)を確認する必要があります。
対光反射の消失:ペンライトを用いて対光反射(光刺激で瞳孔の大きさが変わること)の消失、瞳孔散大(瞳孔が5mm以上に広がったまま)を確認、脳の機能停止を意味する。直接反射(光刺激と同じ側の瞳孔が縮小する)と間接反射(光刺激と反対側の瞳孔が縮小する)どちらも消失していることを確認する。睫毛反射(まつ毛をさわるとまばたきをする)で代用することもあります。
胸部の聴診:聴診器で胸部の聴診をし、呼吸音と心音が停止していることを確認する。胸部の聴診は4箇所を1分程度かけて確認するのが望ましい(OSCE)
動脈の視診・触診:頸動脈の視診、橈骨動脈・頸動脈の触診で脈が触れないことを確認する。(省略可)
心停止:心電図モニターがフラットになっていることを確認する。死亡後しばらくは心電図上で波形がある場合もあるので注意。
3徴が確認できたら死亡を確認します。時刻を確認するのに携帯電話やスマホはよくないので腕時計をしておきましょう。
必ずしも家族に死亡時刻を伝える必要はありませんが、宣言しておくと家族も受け入れやすいようです。
「○月×日△時□分、死亡を確認しました」 「ご臨終です」や「お亡くなりになりました」などを使うドクターもいます。
その後「よく頑張られました」などの声掛けをおこなう場合もあります。
死亡確認のセリフ
「瞳孔の散大と対光反射の消失を確認しました。心音と呼吸音も聞こえません。心臓の停止も確認できます。○月×日△時□分、死亡を確認しました。(頭をさげる)」
英語「His/Her heart stopped.」 「He/She passed away」
経過や死因の説明をする
家族が落ち着いたタイミングを見計らって、経過や死因の説明をします。病院なら別室に案内して病状を説明します。
家族に寄り添い尊敬する姿勢とねぎらいの言葉を大切にしましょう。
「突然のことで驚かれていると思われますが、何時頃容体が悪化され~」
「よく頑張りましたね。ご家族のみなさんもとても立派でした」
死亡診断書を書く
ルート類を除去し、死亡確認した経緯をカルテに記載し、死亡診断書を作成します。
死亡診断書はできるだけ正確に病態を反映した病名を記入するようにします。死亡の原因や病気の期間は、カルテを参照したり主治医に連絡をとったりして確認します。
一番下の欄には、診断書作成日と医療機関名、医師名を書きます。死亡診断書の字は丁寧に漢字の間違いがないように記入します。
まとめ
死亡確認の手順と気をつけるべきポイントでした。
なによりも大切なのは、死にゆく人とその家族にひとりの人間として畏敬の念をもって接することだと思います。
深い昏睡、瞳孔の散大と固定、脳幹反射の消失、平坦な脳波、自発呼吸の停止の5項目を6時間以上あけて2回確認することを、必要な知識と経験を持つ移植に無関係な2人以上の医師が確認することが「脳死」の判定になります。
脳幹反応検査には、対光反射,角膜反射,眼球頭反射(人形の目現象)、毛様脊髄反射,咳反射,前庭反射,咽頭反射等があります。詳しくは→日本臓器移植ネットワーク
死亡確認に必要なアイテム(落ち着いた色)