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サービス残業代を払うために基本給を下げる経営について

昨今、労働をめぐる規制が厳しくなり「サービス残業」が叩かれることも多くなりました。

労働基準監督署(労基)が突撃してきて急に業務改善命令が下される企業の話もよく聞きます。

 

さて、今までは残業代を支払わずにタダ働きさせていたいわゆる「サービス残業」
どこの職場でも多かれ少なかれサービス残業はあると思いますが、度をこえたサービス残業はもはや許されないでしょう。

しかし、経営者の視点にたつと今まで無償の労働で成り立ってきた経営は、突然残業代を払うことに対応できません。
職種によって異なるので一概には言えませんが、残業代は基本給の時給を1.25倍以上したものとされています。だいたい1500円くらいでしょうか。月20時間のサービス残業として、ひとり当たり3万円の人件費が上乗せされることになったら経営は厳しいと思います。

 

そんな経営側の対策として、「基本給を下げる」ことでサービス残業の分の残業代を払ってもトータルの給料が変わらないようにする手法があります。
労働者からしたら騙されてるみたいなものですが(まさに朝三暮四)、これなら経営にも響きません。どこぞの有名企業や病院もこの手法を用いているとの噂です。

 

しかしながら、こんな付け焼刃の対策ではいずれ限界が来ます。これからは法律を守らずに経営を維持する「ブラック企業」はますます叩かれて数を減らすでしょう。そんな会社や職場に優秀な人材が入ってくるはずもありません。
きちんと残業代を支払える「ホワイト企業」が有利になっていきます。

 

経営を維持しながら法律を遵守するという観点では、先の基本給を下げる方法は悪くないと思います。
しかし、本当の意味で経営を考えるならホワイトな労働環境で労働者を大切にしていくことが大切です。

 

そこで私が経営者なら、サービス残業をなくすためにいったん基本給を下げてでも残業代を支払います。そして、基本給を上げていくことを条件に人員削減と業務の見直しをしていきます。

そもそも残業代をふくむ人件費が払えない経営状態が不健全なので、会社全体の労働による価値の算出とそれに見合う対価が得られているのかをチェックします。
残業してまで働いているのに給料が払えない状況は、

①無駄な業務が多く時間当たりの効率が悪い
②労働で生じる価値がそもそも低い または対価が得られていない
③人件費以外の支出が多い

のいずれかだと思うので、そこを見直します。

不採算分野や業務と人材のミスマッチ、無駄な業務や会議が多い等々

業務や分野ごとに見直すことだけでなく、会社全体での効率やバランスを考慮することも必要です。たとえば、ある分野の採算が悪くてもそこで生じる広告効果によって他の分野での顧客が生まれている可能性があります。また、未来にむけての投資といった面が強い業務もあるでしょう。一元的に金銭面だけで判断するのは危険です。

人員を削る際には必ず業務も減らします。行われている業務で価値を生んでいるものは何か、逆に価値がない無駄な作業をどうやって減らせるのかを考えます。価値を生じさせる業務の割合を増やしトータルの業務量と人員を削減することが大切です。根性論ではなくテクノロジーを用いることが解決策になります。

無駄な業務と人員を減らして集中させることで、残業そのものも減らせるはずです。

 

そうして経営に余裕が生じてきたら、ベースアップで基本給を上げていきます。残業時間が減るのに合わせて基本給を上げていけばトータルの給料も一定に保てます。経営も安心ですね。

 

終わりです。ありがとうございました。

理想論ですが、この理想を持って経営している人がいったいどれほどいるのでしょうか。