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いわゆる「トンデモ医療」「自然派〇〇」「陰謀論」などにハマってしまうのは一般人だけでなく、医療従事者にも多いことが知られています。なぜ、医療を学んだはずの医療従事者がこういったトンデモ論にハマってしまうのでしょうか?
なぜ医療従事者がトンデモ論にハマってしまうのか
医療の限界を知ってしまう
医療現場で働いていると、医療の限界を知ってしまいます。どんなに手を尽くしても人は亡くなります。仕方のないことですが、医療従事者は現在の医療の限界を悟って無力感に苛まれてしまうのです。
自己肯定感が低く承認欲求が強い
医療の、そして自分の限界を知ってしまうと自己肯定感が低くなってしまう人も出てきます。自己肯定感の低い人は、トンデモのような超越的な論理を提示されるとハマりやすいことが知られています。
また、彼らの承認欲求が強い性質をトンデモ信者にうまく利用されています。トンデモ論は一種の宗教で、仲間内で互いに承認欲求を満たせるように仕掛けを多数用意しています。そこに引っかかってしまうわけです。
トンデモ医療の信者は悩んでいる人を探し出して仲間にしようとします。TwitterやInstagramなどのSNSの発展によって、リアルなつながりだけでなくネット上でもそうした行為が行われています。
現象に何らかの理由をつけたがる
これは医療従事者に限らず人間の性質ですが、出来事に(偽りの)因果関係を見出してしまうというものがあります。皆さんも「なんで」なのか「どうして」こうなるのかを知りたがりますよね。こじつけでも何か理由があると人はその事実を納得しやすくなります。逆に理由がないと真実なのかを疑いやすくなります。ここからは推測ですが、医療従事者は医療という学問を学ぶ過程で、因果関係を発見し納得するプロセスを繰り返すので、トンデモな論理にも自分なりの因果関係を(無理やり)見出して納得してしまうのではないでしょうか。
苦労して知ったことを信じたがる
これも人間の性質ですが、苦労して知ったこと、自分と仲間だけが知っていることを信じたがる傾向があります。他人に教えられた事実よりも、自分で苦労して見つけだした「何か」を信じたくなる気持ちはわかりますよね。インターネットによって正しくない情報にもよりアクセスしやすくなってしまった現状もあります。
正確な医療知識がない・得るための技術がない
トンデモ論に陥りやすい人は、正確な医療知識がなく、それを得るための技術も持ち合わせていません。医療従事者といっても基礎的な知識はかなりあいまいな人も多く、そうでなくても自分の専門以外は一般人なみです。知識の多寡は大きな問題ではありませんが、重要なのはそうした正しい知識を得るための技術を持ち合わせていないということです。本来医療従事者は正しい教科書を読み、適切な文献を探し、エビデンスを評価し、批判的に吟味するべきですが、そうした技術を持っていない、得るための練習をしていない人が多いということでしょう。
そして正確な医療知識がなく、自らで情報を探し判断する力がない人は自己肯定感も低くなります。トンデモ論に騙されてしまうわけです。
まとめ
医療に詳しいはずの医療従事者がなぜトンデモ医療にハマってしまうのかを考察してみました。
最近とくに問題なのは、SNS上で怪しげな宗教が跋扈していることです。Twitterでは医師のアカウントが悪質なトンデモ医療を撲滅しようと頑張っていますが、若者が利用するInstagramではトンデモ医療が勢力を拡げています。
トンデモにハマってしまう人の自己責任にしてしまうのは簡単ですが、野放しにしていてはその人の家族や周囲の人にも悪影響が出かねません。こういった背景を知ったうえで対策していくべきだと思います。
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