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知り合いの受験生に勉強法を聞かれたから、世間一般に言われてる勉強法から自分が使ってたやり方までいろんな方法とその注意点を教えてあげた。これで一気に成績上がると思った。
半年たって成績を見てみると思ったより伸びてない。けど決してサボっていたわけではないみたい。
一体何故なんだろう。→— とーか@イカした医学生 (@toka_spl) 2017年12月30日
成績表と解答、実際に解いている姿、考えていることまで細かく観察すると、ある要因が見えてきた。
どうやら”国語力”に問題があるみたいだ。
語彙力、読解力、理解力のいずれも僕の予想を下回っていた。このせいで国語だけでなく、英語や数学にまで影響がでている。— とーか@イカした医学生 (@toka_spl) 2017年12月30日
これは12月にツイッタ―に投稿したものです。今一度国語力についての自分の意見を整理していこうと思います。
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国語力とは
僕は、教育のプロではありません。しかし、まがりなりにも大学受験を突破し、その後も受験生を相手にするアルバイトを続けてきました。その経験から感じたことは、「国語力がない子は成績が伸びない」です。国語力という観点で世の中を眺めたとき、大人でもその能力が担保されているとは言えません。そう、日本人なのに国語力がない人が増えてきているような感じがします。
さて、国語力と聞くとどのような能力が思い浮かぶでしょうか?
豊富な語彙を操る力、文章の要点を見抜く力、登場人物の心情を読み解く力、心震える文章を紡ぐ力、違う言語を習得する力, etc
どれも正解ではありますが、これらは表出した形にすぎず本質ではありません。僕は、
「国語力とは自らの思考を認識し言語によって論理的に構築する力」だと考えます。
このために必要なスキルが、語彙力や読解力、理解力と呼ばれるのではないでしょうか。
- 感情や物事、思考を適切に表現しうる語彙を持ち、引き出す力=語彙力
- 語彙を用いて自分を表現し、また他者の表現を読み解く力=読解力
- 表現から伝えたいことを理解する、自分の思考を理解しようとする力=理解力
どのスキルも自分と他者を双方向につなぐものです。
このように考えると、思考を認識し言語によって表現するプロセスの中で必要とされるスキルを磨くことが、本質である国語力の育成につながるのではないでしょうか。
国語力のない日本人
自らの思考を認識し、それを言語によって論理的に構築する力を国語力としたとき、今の日本人の多くはその力を失ってしまっているのではないか、と考えます。
語彙力
語彙力
まず知っている単語が少ない。そして正確に意味を理解してない、理解しようとしていない。少ない語彙と間違った理解のせいで、ひとつの単語に多くの意味を持たせすぎている。細かい意味の違いで使い分けるという発想がない。
さらに、単語の階層化ができていないため、言い換えに弱い。— とーか@イカした医学生 (@toka_spl) 2017年12月30日
若者(に限らず)語彙力の低下は著しいものと感じます。N数の少ないアンケートですが
高校生と話してたら
「心頭滅却すれば火もまた涼し」
の意味が分からないって言われたんだけど— とーか@イカした医学生 (@toka_spl) 2018年2月7日
僕のフォロワーさんは、ゲーム関係の中高生、主婦から医学生まで偏りはありますが幅広いものです。その中で「心頭滅却すれば火もまた涼し」ということわざを理解しているのはおよそ半数。17%は知らない、という結果になっています。僕はこれくらいみんな知っているものだと思っていたのですが…
このように常識と思っていた言葉が伝わらないという経験、みなさんあるのではないでしょうか?
また語彙が少ないと知っている単語に、本来別の単語が表す方が適切な意味を拡大して使ってしまいます。その究極の単語が「マジ卍」なのではないでしょうか。
受験生が苦手とする言い換え、よくあるのが具体例を抽象化するもの。何故できないのか。
語彙が少なく抽象化する際の単語が使えないという側面だけでなく、具体例の指す意味がどのグループに所属するのかが理解できていない場合が多い。— とーか@イカした医学生 (@toka_spl) 2017年12月30日
単語の階層化ができないと言い換え問題に対応できません。実生活でも困りそうです。
読解力
また、読解力の低下も顕著です。
同じ日本語を使っているはずなのに、コミュニケーションが取れていない場面を多々見かけます。例えばTwitterなどのSNSです。ツイッタ―は1ツイート140文字という制限があり、文章の要旨のみのツイートが多くなってしまいます。そして、RT(リツイート)という機能によって拡散され、投稿者も意図していない層の目に触れることもあります。そういった誤解されやすい環境であるということを差し引いても、文章の意味をくみ取れてない人があまりにも多いのです。前後の文脈や発信者のバックグラウンドなどを無視して、さらには、特定のキーワードに強烈に反応し見当違いのリプライ(返信)を送る人も少なくありません。
受験的な観点では、読むスピードが遅い生徒が多いです。これは見逃されがちですが大きなロスになります。
読解力
読むスピードが遅い。さらに一文を読む間に前の文章を忘れてしまっているパターンが多い。だから2回、3回と同じところを返し縫いのように読んでいる。
知らない単語が登場したら意味を類推しろと言われているが、前後の文脈をとれない生徒は無視してしまうか、誤った想像で話を進めてしまう。— とーか@イカした医学生 (@toka_spl) 2017年12月30日
語彙力がなくても意味を類推しろと”頭のイイ人”は言いがちですが、大半の人は無視するか、誤解してしまいます。英語の難解な単語がいっぱいな文章を想像してみてください。意味を類推するのにも限界がありますよね。そして意味が理解できてない文章は、読んでいるうちに内容を忘れて何度も読み返さないといけないはめになります。 国語力のない人は、日本語でもそうした状況になっていると考えられます。
理解力
理解力
単語がわかって文章が読めているのに、結局どういう意味なのかを聞いてみると言葉につまる人は理解できていない。ただ読んでいるだけでその文が伝えたい内容を捉えようとしていないのだ。受験テクニックで有名な、問題文から読んで本文のそれらしい箇所を探すというやり方が拍車をかけている。— とーか@イカした医学生 (@toka_spl) 2017年12月30日
国語力がないと困ること
これは国語だけの問題ではない。同じ語学である英語はもちろん、他の科目にも関わる。
先生に解答解説を読みなさいと言われたことはないだろうか?
読める人は自分で理解できるのだが、そもそも読めない人が解答解説でわかるはずがない。自分一人で勉強できないと勉強の効率は著しく落ちる。— とーか@イカした医学生 (@toka_spl) 2017年12月30日
同じ文章から得られる情報が少ない、時間がかかる、1人で自習しても効率が悪い。
みんなが積み木で城を作っている横で、道具もなしに砂の城を作ろうとしているかのようだと感じた。
国語力がないと、同じ方法で同じ努力を重ねても全く成果が異なってしまうのだ。— とーか@イカした医学生 (@toka_spl) 2017年12月30日
AI時代には中途半端なバイリンガル教育よりも、きちんと自分の思考を認識し、論理的に構築できる国語力を育成する方が大切だと考えます。
さらにくわしく→ 人工知能(AI)と読解力
対策
ここで終わってしまうとなんの意味もないと思うので、簡単にできそうな国語力トレーニングを紹介しておく。
あなたが最近見たドラマや映画、漫画や小説などを誰かに説明するのだ。
単純そうに見えてこの作業はなかなか難しい。— とーか@イカした医学生 (@toka_spl) 2017年12月30日
それらの情報を正しく理解する能力、相手の持っている知識を想像する能力、自分の言葉で説明する能力、通じるために適切な語彙を選ぶ能力、興味を持ってもらうために構成や分量を考える能力、時系列や話す順番を考える能力、矛盾が生じないような論理的思考力, etc.
— とーか@イカした医学生 (@toka_spl) 2017年12月30日
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